閃の軌跡T&U レビューと考察




最初に言っておきますが、俺は空の軌跡FCから軌跡シリーズの大ファンです。
那由多も含めて全シリーズをプレイしており、SC以降から新作は必ずドラマCD同梱版を発売日に買っている信者です。ファルコム大好きです。
だからこそ! 閃の軌跡二部作について完膚なきまでに叩きまくりたいと思います。

はっきり言って閃の軌跡についてガッカリしている次第ですので、
今回はレビューと考察だけではなくシナリオの技術面についても語り、
閃の軌跡が何故ガッカリするような作品なのか。過去作と比べて何が劣化したのか検証し、
最終的に軌跡シリーズはこれからどこに向かえばいいのか、自分なりに答えを出してみます。

あ、もちろんネタバレ全開ですので未クリアの人は逃げて下さい。

1.学生という設定は失敗だった

そもそも学生という設定事態に無理があったと思います。
これまではブレイサー、警察という設定で主人公達が一般人を守る立場であり、
なおかつ若いとは言え社会で活躍する立派な大人でした。
しかし今作ではただの学生であるがゆえに、下記のような無茶苦茶な問題が発生しました。

■一国の王子が、カレイジャスという国の威信をかけて作った巡洋艦を学生に託す
カレイジャスが学生たちのオモチャに……。

■学生の身分で戦争に介入しまくり。軍もなんだかんだ言ってそれを容認
ブレイサーとか警察だったら戦争に介入しても自然だったと思います。
ていうか「第三者」とか言いながら完全に革新派の味方でした。ダブルスタンダード!

■閃の軌跡Tにて。事実上のラスボス「エレボニウス」を倒す理由が「学院祭を中止にしたくないから」というゲームの歴史に残るクソ展開
延期にすればいいやん……。

■閃の軌跡Uにて。後日談ラスボスと戦う理由を要約すると「区切りつけてスッキリしたいから」
お前ら戦闘狂か!?

■並み居る強敵を倒してきたリィンが、ただの学生でギルバート臭が漂うパトリックとライバルっぽくなってる
何十時間もプレイして強敵を倒してきたのに、閃の軌跡Uでパトリックごときに「一年最強を決めよう」とか言われて戦い、何故かお互い認め合う。
えっ。結局リィンってパトリックと同レベル……? 強さの設定が破錠してます。

■帝都決戦で学生たちが機甲兵と結構良い勝負してた
エミリーが銃使って善戦してた! パトリックの事と言い、リィン達の戦闘力はモブキャラと大して変わらない!?

■行動に責任感と強い意志が無い
どうしてもリィン達のやってる事がお遊びに見える。Z組があそこまで戦争に介入する必要あったのか?

■背負っている過去や問題が薄い
ヨシュアはハーメルの悲劇を体験。レンやティオは言わずもがな。レーヴェもしかり。
過去作ではみんな重たい過去を背負いながらも、必死にあがいていました。
しかし今作では「親との確執」とか「音楽やりたい」とか「貴族うぜぇ」とかとにかく薄っぺらい。幼稚。

■全体的に青臭い
青臭いセリフを青臭いと思わせないストーリーの分厚さが軌跡シリーズの良さだったはず。
でも閃の軌跡では普通に青臭かった。セリフもストーリーもただの中二病でした。

などなど。学生という設定のせいでストーリーが全体的に幼稚で稚拙で強引で、過去作に比べるとターゲットとする年齢層が下がりテイルズみたいになってます。
また、上記で挙げた通り強さの設定がおかしいです。
リィンとパトリックがライバル? 学院生も機甲兵と良い勝負? なんだそれ? ってプレイヤーは思いますよね。
つまり、ゲーム的にはとんでもない魔獣を蹴散らし執行者とも良い勝負をして、高位アーツをガンガンぶっ放してリィンは鬼の力を発揮して、
これならヨシュアとかエステルとも互角の戦い出来るんじゃね? って思うくらいリィン達は強くなります。
しかしあくまでもリィン達は学生なので、シナリオ的にはせいぜい士官学院の中では最強レベルだけど執行者の足元にも及ばないガキに留まってしまってる訳ですね。
ゲーム的な強さ、シナリオ的な強さで乖離がある。これが学生という設定の失敗たる理由です。アリサやエリオットがエステルに勝負を挑もうもんならボコボコにされるでしょう。
まぁトールズ士官学院での貴族生徒戦はSクラぶち込んでほぼ瞬殺出来ますがね……。圧勝したのに「良い勝負だったな」みたいな展開になります。そりゃないよ……。

そしてストーリーの稚拙さに関しての一番の欠点は、プレイヤーの皆さんが思ったであろう以下の理由が挙げられます。

強敵と戦闘→よっしゃあ勝った!→ふっ。なかなかやるじゃないか。さて、そろそろ本気を出そう。
→そんな……。もう絶体絶命だ!→助っ人登場。助けに来たぞ! 後は任せろ。→ありがとう! 
やっぱり学生の俺たちじゃブルブランさえ倒せないよ!

この展開が最初から最後まで続く虚しさと言ったら!

絶体絶命の状況で助っ人が助けに来る、という展開は確かに熱いです。王道ですがやはり痺れる演出です。
ただね、それを何十回もやられると萎えるだけなんですよ。
あぁ結局リィン達ってザコなんだ。めっちゃレベル上げたけど弱いんだ。デュバリィが本気出したら瞬殺されるレベルなんだ……って話です。
言うまでもなく、こういう展開になったのはリィン達が学生だから、というのが理由なんですよね。
そりゃただの学生が執行者や西風の旅団を倒しちゃったらおかしいです。
だからファルコムは助っ人参戦という演出を多用してシナリオの辻褄を合わせたんでしょうが、その結果クソシナリオが出来上がっただけでした。
煌魔城でクレア、シャロン、オリビエ、トヴァル、ヴィクターなどが助けに来ますが、お前らがいればリィン達必要無いじゃん! と叫びたくなります。
とにもかくにも、RPGにおいて主人公たちが強敵を撃破出来ず、誰かに助けてもらってなんとかなる。というやり方は論外だと思います。これじゃスッキリしない。
ヨシュアがレーヴェに勝った時のあの感動。あれがRPGですよ。主人公達はあくまでも学生だから強敵には勝てないんだよ、ではフラストレーション溜まるだけ。

なんというか、辻褄を合わせるためとはいえ、ここまで助っ人参戦という展開を多用したのは異常だと思います。プロの仕事じゃありません。素人でも躊躇するようなシナリオです。
誰か指摘する人は居なかったのでしょうか? あまりにも幼稚です。
考え過ぎかもしれませんが、SCの王都襲撃などのイベントが評判良かったので、ファルコムはその展開に頼りすぎちゃったんじゃないでしょうかね……?

ストーリーが幼稚。強引。これは学生という設定を使ってしまったせいですが、
もしかしたらファルコムはもう軌跡シリーズのシナリオ作りに関しては限界が近づいているのかもしれません。
今はなんとか過去に築いたプロットと財産で食いつないでいるように見えます。

2.誰かファルコムに風呂敷の畳み方を教えてあげて

誰もが散々嘆いている事ですが、さすがにこれ以上伏線を出すだけ出して未回収、というのはまずいと思います。
そりゃ軌跡シリーズは永遠に続いてほしいと思っていますが、そろそろ結社の計画のラストを見届けたいですし決着も付けたいです。
閃の軌跡では帝国編が書かれて、ギルド襲撃事件などについても触れられましたが、どれもこれもファンサービス的な伏線への接触であって、回収にはなっていません。
例えばサラはノーザンブリア出身という事ですが、軌跡シリーズにおいてノーザンブリアは塩の杭事件が発生したストーリー的に重要な要素です。
しかし、今作ではただ単にサラはノーザンブリアの元猟兵でしたーと触れるだけで、塩の杭はもちろん詳しい事は何も語られませんでした。
もっと言えばですよ、せっかくサラは元猟兵という過去を背負っているのに、それが発覚しても「あぁそうなんだーまぁ色々あるよねー」みたいな感じであっさり流されます。
うんなんていうか、え? って感じですよね。だから? みたいな。とりあえず意味深な設定だけ用意して後は投げっぱなし。やっぱりファルコム落ち目かも。

スカーレットが従騎士を目指してたっぽいとか、カシウスとかヨシュアとかレーヴェの名前が出てきたり、リベールの事件について触れられる描写もありましたが、どれも本当に触れるだけで
「うわマジかよそういう事だったのかー!」的な驚き要素は無し。3rdみたいに色々なバックグラウンドが見られる事はありません。
つまり閃の軌跡は伏線を回収する続編ではなく、ただ零と碧と同時系列で別の場所を書いた外伝作品に近い内容だったと思います。
碧の軌跡をプレイした人たちが知りたかった事は何か? それは戦時中のクロスベルであり、帝国の占領からどうやって解放されたのか? という疑問であり、何よりクロスベル解放後のゼ
ムリア大陸での全く新しい話だったはず。
だからこそ、零の軌跡と碧の軌跡と同時系列のお話である閃の軌跡を作るのなら、せめて空から碧までに分かっていなかった事がどんどん明かされていなければならなかったのです。
それを踏まえて、閃の軌跡では以下のような流れにするべきだったと思います。

・結社の計画、使徒や盟主の正体、アリアンロードの過去や行動目的などがほとんど判明
・その上で、これまで語られるだけだった帝国編をプレイしてエレボニア帝国の内情をプレイヤーに知ってもらう
・リベール、クロスベル、エレボニアと体験してついにオルフェウス計画も大詰め

そして、軌跡シリーズ最新作でついにオルフェウス計画が決着。……なんてどうでしょうか。普通ならこれが一番スムーズなはずです。
でもねぇ、何もかも分からないままなんです。まぁ3rdに出てくる使徒の口調からしてレクターとユン老師が使徒なのは間違いないですし、盟主ってぶっちゃけ女神っぽいんですけどね。
何だかグダグダ言いましたが、空の軌跡では伏線が良く回収されてましたし、零と碧では新章突入! って感じでアリアンロードなどの新しい登場人物、舞台、謎、伏線がどんどん出てき
て盛り上がった訳じゃないですか。だから閃の軌跡では、その盛り上がりを一気に回収して怒涛の勢いで最終局面に導いてくれると思ってたんですが……。本当に残念です。

個人的な意見としては、軌跡シリーズは一生続くけど、ゼムリア大陸を舞台としたシリーズは完結させて、別大陸を舞台にした全く新しいストーリーとして軌跡シリーズ第二
幕をスタートさせた方が良いと思いますが、どうでしょう?
ただ、もしかしたら軌跡シリーズの世界にはゼムリア大陸しか存在していないのかもしれませんし、ファルコムはゼムリア大陸以外の事は考えていないのかもしれません。そこんとこは考え
てもしょうがないと思いますが、閃の軌跡を見る限り、これ以上ゼムリア大陸の話でダラダラ続けるのは限界でしょうというのが俺の意見です。

3.音楽の質が落ちた&ストーリーが音楽に負けている

空の軌跡FCで、始めて通常戦闘曲のBGMを聴いた時の感動は忘れられません。あの音楽を聴いた瞬間、このゲームは何か違うぞ、と思いました。
で、本当に違った訳です。空の軌跡三部作は脳みそを揺らす神曲が勢揃いで、まさに芸術品と言える出来でした。
じゃあ零はどうか。良曲は多数ありました。大好きな曲もあります。しかし神曲の数は確実に減りました。空の軌跡のように、「なんじゃこりゃあ!?」と思うようなレベルの曲は明らかに少な
いんですよね。
碧では更に神曲が減りました。いや零も碧も、一つのゲームとして見れば日本のゲーム史に残るレベルで素晴らしい音楽が多数あるんですが、空の軌跡三部作の音楽があまりにも素晴ら
しすぎて、どうしても空と比べると零と碧は一枚落ちてしまうんですよね。
こうやって過去の栄光と比べられてしまうのがシリーズ作を続けていく事の難しであると思うんですが、零と碧の音楽は確かにハンパない。でも空の方が格段に上というのが俺の評価で
す。
さて、じゃあ閃の軌跡は? となりますが、結論を言えば零と碧よりも遥かに良曲は減りました。神曲といえる曲はもはや数える程度。
ていうか閃の軌跡Uに関しては同じ音楽使いまわしすぎじゃないですかね?
せっかくカッコ良い音楽も、あそこまで乱発されると萎えてきます。それに軌跡シリーズのファンって、ここぞというシーンでは「新しい神曲来るか!?」って期待すると思うんですよ。でも閃の
軌跡Uでは必ずと言っていいほど同じ音楽が使いまわされるので「あ、またこの音楽か……」とテンションが下がってしまいます。
Uではもう少し曲数増やしてほしかったなぁ……。
話が逸れましたが、軌跡シリーズはストーリーだけではなく、音楽面においても空の軌跡より遥かに劣ってきています。こっちは空の軌跡と同レベルかそれ以上の音楽が聴きたいんです。
次回作では痺れるような音楽を沢山聴ける事をマジで祈ってます。

そしてストーリーが音楽に負けている、という事も語らなければなりません。
閃の軌跡Uではストーリーのレベルが下がっている訳ですが、それに加えてあのしょぼい3Dグラフィックですから、結果的にしょぼいストーリーとしょぼいグラフィックが織りなす幼稚な
シーンにすんげぇカッコ良い音楽が流れている、というギャップが生じます。
ただでさえ幼稚で中二病なセリフを豪語しているシーンで素晴らしい音楽が流れていると、余計にそのセリフが稚拙に聞こえます。だったらいっそ情報量が少なく、会話を邪魔しない音楽が
さりげなく流れてる方がまだマシ。
ゲームに限った事ではありませんが、音楽というのは必ずストーリーや映像とシンクロしていなければなりません。しょぼいストーリーにどれだけ良い音楽を乗せても見てる方はひたすら寒く
なるだけ。その逆ももちろんあります。
せっかくゲームメーカーの中でも郡を抜いて素晴らしい音楽を作る事が出来るのに、その音楽を活かすストーリーが空っぽじゃ話にならない。これも閃の軌跡の問題点です。

気になる事まとめ

さて。思った以上に長くなってしまいました。これ以上ダラダラ書くと長くなりすぎるので、他に気になった点を箇条書きでまとめてみます。

・なんでガイウスは帰ったの?
Uのラストで仲間は士官学院を卒業しますが、ガイウス以外は大体以下のような理由。
アリサは会社の手伝いをするため。エリオットは音楽をやるため音楽院へ。マキアスは他に勉強したい事があるから。ユーシスは領地の指揮。
フィーは仲間を探すため。エマはクロチルダを探すため。ミリアムは軍で色々あるから。ラウラは修行のため。
うん。じゃあガイウスは?
ガイウス以外の理由は一応筋通ってます。本人達がどうしてもやりたい事あるっていうなら、一年で卒業というのも理解出来ます。個人の自由です。
特にユーシスなんかはむしろ学校通ってる場合じゃありません。でもさ、ガイウスは?
なんか故郷を守るためとかそんな理由らしいですけど、一刻も早く帰る必要あったんですかね? あと一年勉強してからノルドに帰った方が得るものは大きいと思います。
もしかしてガイウスは、リィンと二人で寂しく学院に残るの嫌だから帰ったんじゃ……?

何にせよ、ガイウスって一番薄っぺらいキャラでしたね。重い過去を背負っている訳ではなく、ただの良い人。

・騎神は不必要
いつから俺の好きな軌跡シリーズはエヴァンゲリオンになってしまったのか!?
いやむしろ、明らかな声優押し、ギャルゲー化、ストーリーの幼稚さも相まって英雄伝説テイルズゲリオンになってます。
閃の軌跡Tのラストで騎神戦が始まり、良くわからんうちに戦闘が終わりエンディング曲が流れた時の絶望は忘れられません。
あのエンディングに関しては、まぁファルコムさんはプレイヤーが悪い意味で絶望するのを予想した上で作ったのかもしれませんが、騎神戦はやっぱり必要ないです。
そもそも英雄伝説とは、軌跡シリーズとは、剣と魔法が舞台の王道ファンタジーだったんじゃないですか? パテルマテルとか碧の軌跡の神機みたいな感じで出てくるなら別に良いんです
けど、閃の軌跡のようにロボットをメインに持ってくるやり方はさすがに受け入れられない。
しかも騎神戦が全然面白くない。ただのジャンケンゲーム。よりにもよってリィンがヴァリマールを呼ぶ度にカメラがズームインして、手を掲げながら「灰の騎神! ヴァリマール!」
とか叫んじゃう。良い年こいてこんな展開を見せられるのは、キツイ。

・結局カシウスって強いの?
零の軌跡でアリオスが出てきた時から「ん?」と思ってましたけど、なんか強い奴がどんどん出てきて、幽遊白書で戸愚呂がB級だと知った時のような困惑がどんどん湧き上がっていく
訳ですが、もう誰がどのくらい強いのか分かりません。
空の軌跡まではカシウスが最強だと思ってましたけど、アリアンロードが世界最強っぽいし、アリオスやヴィクター、赤い星座と西風の旅団の団長とかカシウスより上っぽいし、セルナートは
アリアンロードと良い勝負出来るみたいだし、ルーファスもヤバげだしそもそもマクバーンって人の領域超えてるらしいし……。こうやって最強だと思っていたキャラより強い奴がどんどん出て
くる展開が続くと、さすがになんだかなぁという気持ちになります。
まぁカシウスの凄さは戦闘力だけではなく、その頭脳というか知略というか、先を読む力ですからね。戦闘力と頭脳を含めるとカシウスはアリオスやヴィクターに劣らないと思いますし、軍人
やブレイサーとしての強さで言うとやっぱりカシウスが一番なのかな……? と思います。ていうか、思いたい。

・3Dグラフィックについて
グラフィックを3Dにしたせいで、演出面がしょぼくなったと思います。
はっきり言ってファルコムの3D技術があの程度なら、2Dのままで良かった。
なんというか、軌跡シリーズの良さってファルコムの深い描き込みと温かみのある2Dグラフィックだったと思うんですね。
そしてファルコムはちびキャラを動かすのが非常に上手く、コミカルに動きまわるキャラクターを見るのが凄く楽しかったんです。
でも3Dになった結果、不自然な動きや戦闘中も終了後も棒立ちのキャラクター。ぎこちないモーション。などなど、不満だらけです。
何より、3Dのせいでストーリーが余計に幼稚に見えてしまったのが残念です。
例えば帝都決戦を中心として戦車を使った戦闘シーンなどは、2Dでやった方がかっこ良くて興奮するシーンになったと思いますし、ファルコムにはそれが出来る技術力があります。
しかし結果的には、足りない3D技術のせいでせっかくの山場となるシーン全てが演出不足のせいで物足りなくなってしまいました。

・盛り上がりの欠如
上記のグラフィックの話と内容が少し被りますが、閃の軌跡では盛り上がるシーンや感動的なシーンがほぼゼロでした。
空の軌跡では王都襲撃、帝国軍の接近、リベルアークの崩壊。そしてSC第六章にて、砂場でヨシュアとエステルが語り合い、ヨシュアが涙を流すシーン(涙腺崩壊)。
零と碧ではクロスベル解放作戦。IBC防衛戦や赤い星座によるクロスベル襲撃。
車中でのセルゲイの名言→ムービーでノエルの装甲車無双→ヨシュアとエステルとの合流の流れ……などなど。鳥肌の立つ山場が沢山ありました。
しかし、閃の軌跡ではどうか。もちろん盛り上がる「山場」は沢山用意されていましたが、どれも物足りないというか、興奮して全身が震えたり涙腺崩壊しちゃうような山場は無かったです。
どれもこれも「そこそこの盛り上がり」で終わってる印象。
グラフィックの演出不足もそうですが、単純にシナリオの薄さのせいもあり、閃の軌跡では過去作のように何度も見たくなるシーンは特に無いですね。
敢えて言うならTのトリスタ防衛戦ですが、あれはあれで問題あり。
リィン達が学校を出る直前まで、ヴァンダイクとナイトハルトが領邦軍の戦車ぶっ壊したり、マカロフとトマスが高位アーツをぶっ放したりしてたらしいですが、なんと戦車を撃破するシーンは
一切見せてもらえず、サラが「高位アーツをバンバン使ってましたねー」とか、教官たちの活躍を映像ではなく言葉で説明するというあってはならない事態が発生。
その後機甲兵が押し寄せ、おまけ程度に教官たちとシャロンの戦うシーンがあるだけ。あれじゃあ鳥肌は立ちませんよ……。

・シャロンの過去は?
過去に色々あったらしいですが、もちろん一切明かされず。
絆イベント頑張れば何か分かるんですかね?

・クレア・リーヴェルトの家柄
リーヴェルトといえば、楽器メーカーのリーヴェルトです。だからクレアはリーヴェルト社のお嬢様って事になるんですが、
ゲーム中でほんの少し触れられるだけでやっぱりもちろん何も明かされず。
そろそろいじけそう……。

・トマスの正体
トマスの正体も必須イベントでは当然のごとく明かされず。
黒の史書イベントをこなすと、トマスとロジーヌが教会の人間だった事が分かりますが、
これは本筋のシナリオでやるべきじゃないですかねぇ。
やっぱりプレイヤーはこういう衝撃の事実を本筋で沢山見たいと思ってるはずです。

・ミリアム、アルティナ、戦術殻の謎
うんなんていうか結局こいつら何だったの?
黒の工房という、十三工房とか結社と関わりがありそうなセリフはありましたが、肝心な説明は一切無し。
だからミリアムもアルティナも戦術殻も、存在理由が意味不明なまま終わりました。もはや目に見える空気。

・オーレリアとウォレス
いやーほんとビックリするよねまさか領邦軍最強のこいつらと戦う機会が無いなんて!
なんか最後は騎神に乗って正規軍と戦ってるだけでした。二人の存在も空気でした。
ウォレスはノルド出身という事で、ドライケルスを絡めた何かしらの設定はありそうでしたが、やはりもちろん思った通り何も触れられず。
同じノルドの人間同士、強引にウォレスとガイウスの関係性を作っていましたけど、その設定も活かされず。ひどい話です。
オーレリアはエリィに似てるとか言われてますけど、どうなんでしょう……?

話変わりますけど、、ヴァルカンにしてもスカーレットにしてもこの二人にしても、お前ら武人なら自分の力で戦えよ! って思いませんか?
戦争だから圧倒的な兵器を使うのはしょうがないとは思いますが、こいつら明らかにロボットに乗って満足してるんですよねぇ。
カシウスやエステルなら、ロボットの力で勝っても喜ばないでしょうに。

・クロウ
クロウ最期の時、みんな泣いて凄く感動的なシーンを演出してるじゃないですか。
でもさ、なんというか。Z組がクロウと過ごしてた時間ってそこまで長くないし、感動的なバックグラウンドもないですよね? せいぜい一緒に学院祭を頑張ったくらいです。
ヨシュアとレーヴェ。ヨシュアとエステル。オリビエとシェラザード。ロイドとランディ。みたいな関係なら分かりますが、
Z組とクロウの関係ってただ仲よかった友達くらいの関係で、涙腺を刺激する要素は無かったと思います。
だからでしょうかね。俺はそこまでクロウの死を悲しめませんでした。なんか、うん。無駄死にだったねみたいな。

・ヴァルカン
行動理由が幼稚で薄っぺらく、感情移入出来ない。ていうか死ぬ必要が無かった。死んだ仲間のためにも必死に生きて、自分なりに色々活動するとか手はあったはず。
なんかファルコムに無理やり殺されたような気がします。リィンとの最後の戦いなんてもう、マジで理解不能。

・ギデオン
うん。なんか、お疲れ様。

・カイエン
あんだけ出しゃばっといてあの最後。あんな小物が黒幕なんて何の盛り上がりもない。

・キーアの改変について
Tのオープニングでは列車砲が発射されますが、あの場にクロウは居ません。
しかし本編では列車砲は発射されず、クロウがちゃんといます。
つまりオープニングと本編中で違いがあるという訳なんですが、これは零の軌跡でも使われた演出です。
だからどうしても、本当は列車砲が発射されてオルキスタワーに直撃したんだけど、
キーアが改変して列車砲は空砲に留まり、オルキスタワーは助かったのでは……? と推測してしまいます。
零にしても閃にしても、このオープニングの演出はチュートリアルなのかストーリー的に意味があるのか。これも気になる点の一つです。

・Z組の繋がりの薄さ
なんつーかリィン人気ありすぎ! あと頭撫ですぎて引く!
皆がリィンに擦り寄っているだけで、他のメンバー同士の関係が希薄に見えました。
ラウラとフィーは強引に繋がりを持たせてましたが、Tでのラウラのフィーに対する態度は幼稚すぎて共感出来ず、二人の決闘もぽかーんって感じ。
女子の中でアリサとラウラは目立つタイプでしたが、そういえばこの二人の絡みってあんまり無かったような気がします。
過去作では主人公以外のメンバー達の繋がりも強かったんですけどねー。クローゼとレクターとかさ。
それとリィンがすぐ頭撫でる描写も、さすがに無いなぁと思いました。あぁいうのはいらん。

・劣化ペルソナ
Tでは学園を舞台に学生生活を送る、というのが一つのテーマでしたが、なんだか劣化ペルソナな感じのシステムで、
作業的にお使いクエストと絆イベントをこなすだけで面白くなかったし、面倒でした。
ただでさえクエストの数が膨大にある訳ですから、テンポ良くストーリーを進めるためにも自由行動日はいらなかったな、と思います。
Uの休息日も、やっぱりテンポを悪くしているだけで必要性を感じませんでした。

・絆イベント
正直言って面倒でしたし、周回前提のイベントはあまり好きになれない。
絆イベントでは結構重要な会話があるというか、そのキャラを掘り下げる要素が沢山あったと思います。
でもこういうキャラの掘り下げは限定的なイベントでやるのではなく、本編の必須イベントでやるべきでしょう。
ちなみに俺はアリサ一直線でした。

・ボイスが中途半端
喋ったり喋らなかったり。リィンだけボイス無しだったり。メインキャラだけ喋ってモブは喋らなかったり……。
はっきり言ってこれ、フリーゲーム以下の演出ですよね……?

・ラインの意味ある?
戦闘システムについて全く触れてませんでしたね。
閃の軌跡では固有のクォーツをセットする事でアーツを覚えるようになりましたが、これについては肯定も否定もしません。
過去作では確かにクォーツの組み合わせでアーツを覚えさせるのが楽しくて戦略性もありましたが、
それだと使わないアーツを大量に覚えてしまってなんか勿体ないなぁと思ったりもしました。
一方、閃の軌跡ではクォーツの種類が圧倒的に増えて、覚えるアーツが限定される事で、それはそれで戦略性が出来て面白かったと思います。

ただね、うん。ライン分かれてる意味はあるのか?
これまでは、同じラインにクォーツをセットして組み合わせる事で色々なアーツを覚えました。
だからラインの少ないキャラは同ラインにクォーツを沢山セット出来るので強力なアーツを覚える事が可能で、
逆にラインが多いキャラは強力アーツを覚える事が出来ませんでした。

しかしっ。閃の軌跡ではアーツ型のクォーツをセットしてアーツを覚える訳ですから、ラインの意味がほぼ消滅したのです。
ラインの少ないキャラの方がスロットを開封するごとにEPが沢山増えますが、別にEPってラインに依存する必要無いですよね?
Tの時からずっと、「ラインの必要性ってなんだろう……?」という疑問を抱きながらプレイしてましたが、ファルコムは何故この空気システムを放置したんでしょうか……。



結局長くなりましたが、長くなってしまうほど閃の軌跡については不満が沢山ありました。
途中で結論言っちゃった気もするけど、最後に改めて結論を出して終わりましょう。

風呂敷を広げるのはもう止めた方がいい。カルバート編、アルテリア編、クロスベルの続きなどを描くのであれば外伝という形で出す。
とにかくファルコムの限界は見えているので、軌跡シリーズがこれ以上ぶっ壊れる前に、思い切って空の軌跡から続いてきたゼムリア大陸のお話を完結させる。
つまりオルフェウス計画の最期を見届け、結社と決着を付ける。そして軌跡シリーズ第一幕終わり。
次の展開として、別大陸もしくは異なる世界観を舞台にした全く新しいストーリーの軌跡シリーズ第二幕を始める。これでファルコム延命待ったなし。

まぁここで言う新しい軌跡シリーズ、第二幕的位置付けの軌跡シリーズが那由多の軌跡だったのかもしれませんが……。
次回作がどうなるか、これを書いている現時点(14年10月26日)では分かりませんが、どうか次回作こそ、伏線を一気に回収する作品になっている事を祈ります。
そして、空の軌跡SCのようなゲームの域を超えた芸術作品を世に送り出してくれる事を信じるのみです。



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