自主制作映画の作り方

 

もとい初心者のためのオーディオと録音についての語り

※全体的にちょこちょこ文章を修正しました。

ネット上に自主制作映画の作り方について書いてあるサイトなんて腐るほどあるんですが、
案外どこもアバウトな説明しかしてないし、右も左も分からない超初心者にも理解できるような事を詳しく書いてるサイトって無いわけですよ。
だから! ここは俺が立ち上がろうではないかと。超初心者のための自主制作映画の作り方を書こうではないかと。
むしろ俺以外の誰が立ち上がるんだと。嘘ですオーディオについて語りたいだけです。
まぁそんなこんなで、全体的に初心者を対象とした語りをぐだぐだやっていきますので、機材とかは安物を買うこと前提で書いてます。

って事で、オーディオと関係ない事はすっ飛ばして進めていきます。

STEP1 脚本

脚本を書きましょう。あぁ一ヶ月経ったのにまだ一文字も書いてないよーって人は才能がありません。ここで諦めましょう。

STEP2 オーディオ以外の機材

はい脚本書きましたね。って事で必要な機材を確認しましょう。

・カメラ
いまのカメラは3万円以下のクソ安いやつでもそこそこ綺麗に撮れます。
気分的にはFHD撮影出来る機種が良いですけど、
3万円以下のカメラなんてFHD撮影が出来ようがなんだろうがどれも目くそ鼻くその差しかないので、
スペックを参考にしつつ割と適当に買いましょう。
また、FHDで撮影した動画はかなりのスペックを持ったパソコンじゃないとまともに再生できませんので、
もしも自分が持っているパソコンがしょぼかったらFHD動画での撮影はやめた方がいいです。

あと、最近はデジタル一眼レフカメラで映画やPVを撮影する事が多いようですので、
デジタル一眼レフカメラも候補に入れていいと思います。


・照明
これ用意するの難しい。解決方法はそうですね、脚本で夜のシーンを書かなければ万事オッケー。

三脚
1000円以下の適当なので十分。

・気持ち
一番大切なのは高価な機材ではなく、良い映画を作るぞという自分の気持ちです。良いこと言った!

STEP3 映画の音響について

自主制作映画において一番苦労するのは音、そしてノイズです。
特にノイズにおいてはプロアマ問わず苦労の種です。
というのも、先ほども書いた通り今は安物のカメラでもそこそこ綺麗な映像が撮れるのですが、音についてはそうはいきません。
良い音で録音するためにはそれなりの金をかけて機材を揃えないと無理です。
とにかく安物の機材だけでノイズのない映画を作るのはほぼ不可能と考えて下さい。
そもそも、音というのは空気の振動であり「アナログ」な存在なので、
そのアナログな存在を綺麗にデジタル処理するというのはとても難しい事なのです。
って事で、STEP4ではノイズについて説明します。

STEP4 ノイズについて

何度も言いますがノイズを完全に処理するのはまず不可能です。自主制作映画ではなおさらね。
まぁノイズの原理についてはいちいち書きませんので、まずはノイズの対処法について考えていきましょう。

・Audacityってどうなのよ?

ネットで「マイク ノイズ」とか「ノイズ 削除」みたいなワードで検索すると、
まず間違いなくAudacityでノイズ処理しろみたいなページが出てきますけどそれは嘘です。
適当なこと書いてる奴らのせいで勘違いしている人が多いので説明しますけど、
そもそもAudacityのノイズ処理というのは、「ある一定の帯域を潰している」って感じなんですよ。
つまり、都合よくパソコンがノイズの音を判断してノイズだけを消してくれるとか
そんな夢みたいな話はありません。ていうかそんな技術はこの世にありません。
簡単に言いますと、例えば「ガールズナイトアウト」というセリフの中に「ザーーー」というノイズが入ってたとします。このザーを消したい訳です。
ここでAudacityのノイズ処理を行うと音全体が潰れるので、確かにザーという音は小さくなりますが、
もちろん「ガールズナイトアウト」というセリフも一緒に潰れちゃいますし、音も全体的にかなり歪みます。
だいたいノイズと人の声は同じ帯域なので、ノイズを潰そうと思えば声が潰れますし、声を潰そうと思えばノイズも一緒に潰れるって事です。

とにかく、Audacityで完璧にノイズ処理が出来るとかそんなふざけた誤解はしないようにね。
ただし! ここ重要ですが、「Audacityでノイズ処理した音声」を、安いヘッドホンやパソコンやテレビのスピーカーで
聴いてみると、そんなに音が潰れているような気はしませんし音の歪みも感じません。
しかしホームシアターや良いスピーカーで聴くと、しっかり音の劣化を確認する事ができます。
これはただ単純に再生環境の問題でして、パソコンとか音質の良くないスピーカーで聞く分には、
Audacityでノイズ処理した音声の劣化はそんなに感じない(ていうかスピーカーの音が悪くてノイズを聴き取れない)って事です。
んで、フリーゲームとかボイドラマとかニコニコ動画をホームシアターとかで再生する人はいないでしょうから、
フリーゲームなどに使う音声をAudacityでノイズ処理する事に関しては問題ないと思います。
でもさすがに映画ではノイズ処理はなるべくやらない方がいいですね。原音にノイズが入らないように頑張りましょう。

・じゃあどうすればいいのよ?

なんかAudacityの事をボロクソにディスりましたけど、やっぱり打開策はないんですよね。
これはもう良い機材を揃える、セッティングを考える、などなどの努力が必要になってきます。

・わざとノイズを録音する

わざとノイズを録音する、というのはプロの現場でも行われている事です。
では何故、わざとノイズを録音するのか。それは「シーンA」と「シーンB」の繋ぎ目をごまかすためです。

・シーンAでは「サーー」というノイズが裏で走っている。
・シーンBでは「ゴーー」というノイズが裏で走っている。

という状況になっていたとします。これでシーンAからシーンBに切り替わると、
いきなりノイズが「サーー」から「ゴーー」という音に変り凄く不自然です。
なので、「サーー」というホワイトノイズをわざと録音してシーンBに被せれば、
シーンAからシーンBに切り替わっても「サーー」という音が流れ続ける事になります。
たとえセリフのないシーンが続いたとしても、後ろで「サー」とか「ゴー」とか「ジー」とか
ノイズの音がコロコロ変わると耳がおかしくなっちゃいますから、このような工夫が必要になります。

映画の編集中はセリフのない無音のシーンで、このわざと録音したノイズには結構お世話になる事があります。
まぁノイズを完全に消去しようと四苦八苦するのではなく、ノイズは「ノイズ」で誤魔化のが大事ってことです。

STEP5 マイク

カメラに搭載されているマイクは使い物にならないので、別途マイクを準備しましょう。

マイクは大まかに分けて二種類ありまして、ダイナミック型とコンデンサー型があります。
ダイナミックは主にボーカル用。コンデンサーは声を録音する時に使います。
って事で映画の撮影をする時はコンデンサーマイクを使うのですが一つ注意。
だいたいマイクっていうのはプラグインパワー方式なのですが、
パソコンはプラグインパワーに対応しておりません。
従って、基本的にパソコンではプラグインパワー方式のマイクは使えません。
だからマイクはICレコーダーなどのプラグインパワーに対応した録音機器に繋げて使う事になります。

あと、外で撮影するんならウインドマフは絶対に必要です。これがないと話にならない。
他に必要なのは三脚ですね。マイクを手に持ちながら撮影とかそんな無茶な事はやめましょう。

・主なマイクのメーカー

海外メーカーだと以下のメーカーが有名です。

SHURE アメリカ
ゼンハイザー ドイツ
AKG オーストリア
BEHRINGER ドイツ

SHURE、ゼンハイザー、AKGは世界的に有名です。
ちなみに「惨苦と告発」のモニターヘッドホンにはSHUREのSRH440を使っています。
あとどうでもいいけど、俺はヘッドホンではAKGのK530、イヤホンはゼンハイザーのCX400を愛用中。
って感じで、この三社はマイクロフォンを中心としてヘッドホン市場にも積極的に展開しています。

んで問題児BEHRINGER。
BEHRINGERの録音機器のラインナップはとても多く、なおかつクソ安い商品を沢山出してます。
しかしまぁ安かろう悪かろうって事で、BEHRINGERの製品はどれも優秀とは言いがたく、
どの製品もノイズがひどいらしいのでオススメはしません。

国内メーカーだと以下のメーカーが有名です。

オーディオテクニカ
ローランド
ソニー

まぁ国内だとローランドの製品が圧倒的です。なんたってローランドは楽器の専門メーカーですからね。
でもローランドの商品はどれも高いのでちょっと手が出ないですね……。

ていうかSHURE、ゼンハイザー、AKG、ローランドあたりはどれも商品の値段はお高めです。
だから結局僕らの味方オーディオテクニカに頼る事になると思います。
オーディオテクニカは安くて良い商品を作っていますし、
ラインナップも豊富なので自分に合った製品を選べます。
とにかく迷ったらオーディオテクニカ。安い物欲しかったらオーディオテクニカです。ソニー? 知らん。

ちなみに惨苦と告発ではオーディオテクニカのAT9941を使いました。
これ電池でも動くのでオススメですよ。ウインドマフも付いてますしね。
実売価格は7000円から9000円くらいだと思います。

STEP6 録音機器

間違っても古いカセットレコーダーを持ち出すなんて事はしないで下さい。
今の時代、録音機器の主流はもっぱら「ICレコーダー」ですね。
ICレコーダーは安い物なら3000円くらいで買えますし、とにかく録音機器はICレコーダーにしましょう。

・ICレコーダーのファイル形式について

ICレコーダーを買うにあたって重要なのはファイル形式です。
主にICレコーダーで録音出来る形式はMP3とPCMですが、この二つの形式について説明しましょう。

・MP3
おなじみMP3ですが、ハッキリ言うとMP3の音質は劣悪です。
そもそもMP3というのは音を圧縮してファイルサイズを落としているので、音質が悪くて当然なのです。
感覚的にはCD>>>>>MD=MP3といった感じで捉えて下さい。
んで、MP3で録音するんならビットレートはせめて192kbpsは無いとキツイです。
まぁビットレートについては後で説明します。

・PCM
PCM音源はとても音質が良いです。少なくともMP3よりは遥かに綺麗です。
ただし、音質が良い分ファイルサイズが大きのでそこは注意。

従って、なるべくPCM録音できるICレコーダーを選ぶ事をオススメします。

・ビットレートについて

まぁビットレートの原理について詳しく話すと長くなるので、単純に以下のように考えて下さい。

320kbps すんげぇ綺麗。
256kbps かなり綺麗。
192kbps まぁまぁ綺麗。192より下になると音質はかなりひどいので、ビットレートは最低でも192は必要。
128kbps クソ。
96kbps ゴミ。
64kbps もはや音じゃない。

とにかく、録音はなるべくPCM録音で行う事。
MP3で録音する場合は最低でも192kbpsで録音しろよって事です。

・主なICレコーダーのメーカー・ブランド

タスカム
オリンパス
ソニー

この3つが最強です。
他の会社だとなんかパナソニックがICレコーダーを沢山発売してますけど、
パナソニックの作るオーディオ機器はどれも大したことないので、眼中に入れる必要は無いと思います。

話が逸れましたが、まぁ安い製品を買いたいなら
ソニーとオリンパスで気に入った製品を選ぶのが妥当でしょうかね。
タスカムは非常に優秀なICレコーダーを発売していますがどれも高いです。

ちなみにタスカムは会社ではなくTEACというオーディオメーカーのブランドです。
TEACは元々録音機器には強いので、本当に良い録音機器が欲しかったらタスカムから選びましょう。
あと関係ないけど、TEACはエソテリックという高級オーディオブランドも持っており、
150万円近いCDプレイヤーとかアンプをバンバン作ってます。TEACの商品は総じて金持ち向けに作られてますね。

って事で、安く済ませたいならオーディオテクニカのコンデンサーマイク、
オリンパスかソニーのICレコーダーという組み合わせで録音機器を揃えるのが妥当です。

STEP7 音の再生

はい来ましたよ! 音の再生について!
もちろん録音した音は再生して確認する事になりますが、これがほんっとに重要!
はっきり言いますが、皆が使っているような5000円以下のイヤホンやヘッドホンはオモチャです。
そしてテレビのスピーカーやパソコンのスピーカーはもはや不良品レベルです。
Audacityの所でちらりと触れましたが、テレビのスピーカーごときで録音した音声を再生するとですね、
スピーカーの音質が悪すぎてノイズや音の歪みすら聞こえない訳なんですよ。
もちろん、録音した音声を安いイヤホンやヘッドホンで再生しても、原音を忠実に再生する事は不可能です。

んがしかし! 良いスピーカーやヘッドホンなどで録音した音声を再生するとノイズや音の歪みを逃さず再生してくれます。
つまり何が言いたいかと言うと、しょぼい再生機器だと録音したデータをまともに確認できないって事です。
これは結構シビアな問題で、「自分の再生機器で確認した時はノイズは聞こえなかったけど、
他人が別の再生機器で確認したらノイズが酷かった」という事が起こりえるわけです。
人によって再生環境は違います。俺みたいに10万円近いスピーカーを使っている人もいる訳ですから、
自分の再生機器で音声を確認してノイズが無かったから大丈夫、という考えは捨てて下さい。

って事で、録音した音声を確認する時に良い再生環境を整える事はもちろん、
映画の撮影や編集作業ではモニターヘッドホン、あるいはモニタースピーカーを使います。
モニターヘッドホンやモニタースピーカーは音に強い味つけをしておらず、
原音を忠実に再生してくれますので録音した音をしっかりと確認する事が出来ます。

・主なヘッドホンのメーカー

海外メーカーは以下の通り。

AKG
ゼンハイザー
SHURE
KOSS アメリカ
フィリップス オランダ
クリプシュ アメリカ
BOSE アメリカ
ULTRASONE ドイツ

まぁ他にもヘッドホンを作ってるメーカーは腐るほどありますが、
日本の市場に積極的に展開しているのは上記のメーカーですね。

国内メーカーは以下の通り。

ソニー
オーディオテクニカ
パイオニア
ビクター
デノン
ローランド
ケンウッド

日本のヘッドホン、イヤホン市場はソニーとオーディオテクニカで完全に二分しています。
この二社を追うのがデノン、パイオニア、ビクターといった感じですね。

音の傾向ですが、オーディオテクニカはかなり高音寄りで、低音はスカスカです。
オーディオテクニカのヘッドホンはとても評判が良いんですけど、俺はオーディオテクニカの音はあんまり好きじゃないですね……。
デノンとビクターあたりは低音が強くて、味付けの濃い音がすると思います。ソニー? 知らん。

んでヘッドホンはなるべく海外メーカーを選んで下さい。日本メーカーのヘッドホンは割としょぼいです。
特にモニターヘッドホンはSHUREとAKGを強くオススメします。
惨苦と告発のモニターではSHUREのSRH440を使いましたが、これはかなりオススメの機種ですよ。

とにかく、録音した音声を確認する時には良い再生環境、モニターヘッドホンは絶対に必要です。
オーディオに興味が無い人からすればピンとこないと思いますが、
普段みんなが聴いている音は、音が持っている力の半分程度しか聴けていないのです。
若干くどいような気もしますが、録音作業は録音したらそれで終わりという考えはNGです。
せっかく頑張って録音した音声な訳ですから、良いモニターヘッドホンなどを使ってちゃんと確認しましょう。

STEP8 録音の方法、編集

一応説明しておきます。
映画の撮影はカメラとマイクを別々で行います。
コンデンサーマイクはICレコーダーに接続する事になりますが、
ICレコーダーの設定(マイクの感度など)で音質などがかなり変わるので、
録音する時はICレコーダーの設定を色々いじって最適な設定を見つけて下さい。
また、マイクやICレコーダーでは低音を低減する機能がついていますが、
なるべく低音は低減して録音して下さい。低音を低減すれば風の音や雑音などを極力カット出来ますからね。

パソコンに取り込むのはカメラで撮影した動画データとマイクの音声ってことになります。
んで、動画ソフトで編集する際は動画データの音声をミュートにして
マイクの音声を当てる事になるのですが、この作業がすごーく大変です。
もうひたすら動画の音声とマイクの音声の帯域を比べて、
少しのズレなく動画に音声を合わせなきゃいけませんからね……。

あとマイクにプリアンプを接続するとかインターフェイスを使う方法もありますが、
そういう機材を揃えるとなるとやっぱりそれなりのお金をかける必要が出てくるので、
今回はインターフェイスなどの機材についての説明は省略します。

STEP9 まとめ

なんか関係ない事沢山書いちゃったような気がしますが、
オーディオと録音とは何たるものか、という事はひと通り説明出来たかなと思います。
もっと本格的になるとミキサーとかマルチトラックレコーダーとか
そういう機器を使う必要が出てきたり、ファンタム電源がどうだとか面倒くさい話にもなってきますが、
今回説明した事を理解していれば録音で大失敗する事は無いと思います。多分。




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